PING TOUR 2.0 CHROME I の実力
★みなさん、こんにちは。
ピンゴルフジャパン フィッティングスペシャリストの藤川です。
関東は徐々に気温が上がってきて、ゴルフシーズンが近づいてきたことを感じます。
雪国の地方でも雪解けまでもう間もなくではないでしょうか。
そんな中、ご紹介したい製品はたくさんあるのですが、今回はPING TOUR 2.0 CHROME I というアイアンシャフトをご紹介いたします。
どんな方に試してもらいか、このシャフトによって弾道にどんなことが期待できるか、その辺りをご説明したいと思います。
★以前からずっとご要望の多いシャフトでした。
まずこのシャフトが誕生した経緯ですが、以前からPING TOURというのは人気のあるシャフトでした。
最初に登場したのは2015年のG30のときです。
当時はドライバー用がTOUR65、フェアウェイウッド用がTOUR80、ハイブリッド用がTOUR90のみで、フレックスもSとXの2種類のみでした。
それがG400のときに、ドライバー用とフェアウェイウッド用が共通のTOUR173-65とTOUR173-75の2種類になり重量選択が出来るようになりました。
さらにフレックスRも追加され、ヘッドスピードの速いハードヒッター御用達というわけでもなくなりました。
それでも日本専用シャフトのALTA J CBと比較すれば、同じRフレックスでも重くて硬いシャフトだという事は間違いありません。
とにかく幅広い層のゴルファーにこたえられるシャフトだったということもあり、その後G410、G425とモデルチェンジされても、このシャフトは継続して採用され続けました。
ヘッドのモデルチェンジとともに、シャフトもモデルチェンジされることが多いゴルフ業界では、非常に珍しい例だったと思います。
そしてその間、何度もお客様から言われたことが、ハイブリッド用シャフトをアイアンにも挿せないの?というご要望です。
つまりウッドからアイアンまで、すべてこのPING TOURで統一したいということですね。
しかしハイブリッド用シャフトはアイアン用シャフトに比べてヘッド側先端径が太いので、アイアンに装着することができませんでした。
そこに満を持してアイアン専用として、新開発されたシャフトがPING TOUR 2.0 CHROME I なのです。
★それではALTA J CB BLACKとの違いを見ていきましょう。
カタログスペックの数字を見ると、ALTA J CB BLACKのSフレックスに近いような印象を受けますね。
しかし実際に2つのシャフトを打ち比べてみると、結構な差を感じます。
この差は打ってみないと分からない部分もありますが、次のチャート表を見ると少しイメージできるかもしれません。
縦軸が弾道の高さ、横軸がシャフトのフレックスを表しています。
すべてフレックス表記は「S」ですが、見て分かる通りALTA J CB BLACKは最もやわらかく、そして最も弾道が上がりやすいシャフト特性です。
これがスチールになってくると、より重くより硬く、様々な選択肢が出てくるわけですが、PING TOUR 2.0 CHROME I は真ん中やや上のあたりに位置しています。
つまりスチールシャフトの代表格NS PRO 950NEOよりもフレックスのしっかりしたシャフトです。
それでいながら重量はNS PRO 950NEOよりも20グラム程度軽くなるので、その分ボールが上がりやすくなるのが特徴です。
フィッティングの現場では重量級のスチールシャフトから、もっと楽なシャフトに切り替えたいという方にマッチすることが多いように感じます。
年を取ってヘッドスピードが落ちてきたので重いシャフトが振れなくなってきた、という方を良くお見かけします。
フィーリングとしても重さを感じているのだとは思いますが、それ以上にアイアンに求める十分な高さが出なくなったという事もあると思います。
アイアンはボールが上がらなければ、グリーンに止めることもバンカーなどのハザードを越えることも難しくなるので、ボールを上げようとする無理で不自然な動きがスイングに入ってきてしまうのでしょう。
道具に合わせたスイングをするのではなく、スイングに合わせた道具にしようと思うと、必然的にボールの上がりやすいシャフトが求められます。
しかしある程度硬さのあるシャフトに慣れている方にとって、急に軟らかくなりすぎてしまうとタイミングを合わせるのが難しいでしょう。
そんな方はぜひこのPING TOUR 2.0 CHROME I を試してもらうと、しっかり感を残したまま弾道を高くできるので、好結果に結び付くことが多くあります。
最近ボールが上がりづらいなと感じる方は、ぜひ試してみてください。
2023/03/09 12:00