『ハイブリッド=簡単なクラブ』は勘違い?
★みなさん、こんにちは。
ピンゴルフジャパン フィッティングスペシャリストの藤川です。
関東地方もついに本格的な冬到来ですね。
みなさん暖かい恰好をしてゴルフを楽しんでください。
今日は試打会で出会ったとあるお客様のご紹介です。
ハイブリッドの買い替えを相談したいという内容でした。
★『ハイブリッドが上手く打てないんです』
現在は10年ほど前に購入したT社のユーティリティをご使用中で、飛距離についても方向性についてもバラつきが大きいことが悩みだそうです。
ゴルフショップでいろいろ試打してみたものの、上手く打てるクラブが見つからなかったそうです。
周囲のゴルフ仲間は口をそろえて「ユーティリティってのは簡単なクラブなんだよ」と言うので、なんとか打ちこなせるものを見つけたかったそうです。
雑誌やYoutubeでG425ハイブリッドに高い評価がされていることをご覧になって、試打会にお越しいただきました。
現在ご使用中のシャフトがN.S.PRO 950GHでしたので、まずは同シャフトで#4HBを打っていただきました。
なるほど。確かに苦手なようです。
飛び出す打球は主に次の2種類でした。
①右方向に低く飛び出し、急激にドロップしながらフックして、キャリー120~130ヤードほどで落ちてしまう。
②同じく右方向でもやや高めに飛び出したボールは、曲がることなく真っすぐ右に飛んでいき、キャリーは170ヤードほど。
ご本人いわく、NS950だと少し重く感じるので何かいいシャフトはありませんか、とのことです。
しかし原因は一目瞭然でした。
★原因は少なすぎるバックスピン量でした。
試打会にはトラックマンも持参していますが、計測したバックスピン量は多くても3,000回転程度。
少ないものは2,000回転を切ってしまう打球もありました。
バックスピンによってボールには揚力が発生します。
多すぎれば吹け上がってしまう打球、少な過ぎればドロップしてお辞儀するような打球になります。
今回のお客様は、まっすぐ打とうとするとロフトが立ってしまい①のような打球になり、球を上げようとするとフェースが開いて②の打球になるという症状でした。
★一番の解決策はシャフトではなくヘッドの変更でした。
お客様は自分に合うシャフトを教えてほしい、というご希望でしたが、私はシャフトを付け替えるのではなく、7番ウッドをお渡ししました。
フェアウェイウッドはハイブリッドに比べ、ヘッドが大きくシャフトが長いというのが特徴のクラブです。
どちらもボールの上がりやすさに繋がる要素ですので、同じロフトの場合、フェアウェイウッドはハイブリッドよりも高い弾道が打ちやすくなります。
『とりあえずこっち打ってみてください』
「(ハイブリッドのシャフト探してほしいのに、なんでフェアウェイウッド渡すんだよ)」
最初は怪訝な顔をされたお客様ですが、ボールを打つごとに表情が明るくなっていきます。
「これだと狙った通りにちゃんと球が打てるんですけど…」
今回のお客様もフェアウェイウッドにすることで、打ち出し角が高くなりバックスピン量も増え、安定して高いドローボールが打てるようになりました。
さらに9番ウッドも試していただき、こちらも気に入られたご様子でした。
「ずっとユーティリティは簡単なクラブと言われていたので、7番や9番のウッドは考えにありませんでした」
と、思い込みが解消できたようでした。
インサイドアウト軌道でドロー系が持ち球の方は、こうしたお悩みを抱えている方が結構いらっしゃいます。
機会を見つけて是非7番ウッドを試してみてください。
2021/12/17 11:00