ChipRはチップインを狙う攻撃的なクラブかも
★みなさん、こんにちは。
ピンゴルフジャパン フィッティングスペリシャストの藤川です。
昨年7月に発売されたChipRというクラブをご存知でしょうか。
グリーン周りのアプローチに特化したクラブですが、ニッチなジャンルのクラブであるので、静かにロングセラーで売れていくんだろうなと私は予想していました。
ところが蓋を開けてみるとご注文が殺到し、一時期は数ヶ月待ちが発生するほどに欠品してしまいました。
長らくお待たせしてしまったお客様には、大変申し訳ございませんでした。
最近はすっかり落ち着きを取り戻しましたので、安定して組立・出荷ができているような状況です。
★ということで、自分用を作ってみました。
すっかり落ち着きましたが、逆に忘れられたかもしれないと思ったので、改めて自分用にフィッティングしたクラブを作ったので、そのメリットやフィッティングのコツをご紹介したいと思います。
まず私が考えたのはグリップでした。
普段はドライバーもアイアンもウェッジもアクアサイズのバックライン無を使っていますが、パターのストロークに近づけるために太いゴールドサイズのバックラインも有にしました。
パターのストロークに近づけるために、理想を言えばパターと同じグリップにしたいところですが、残念ながらパター以外にパターグリップを装着するのはルールに適合しません。
そこで考えたのがバックラインを付ける事と、サイズを太くすることでした。
ChipRの標準グリップはウェッジ用のダイラウェッジですが、これはバックライン無しかないので、ツアーベルベットのバックライン有を選択しました。
ダイラウェッジは短く握った際も握りやすいよう、通常より長いサイズというのが特徴です。
私もウェッジは短く握って使う事が多いので、ChipRは予め短く33.5インチにしました。
これで長さも決まったので次は肝心のライ角を考えてみます。
考えるまでもなく私はものすごくハンドダウンに構えるので、パターフィッティング時に使うiPINGの数字では、ライ角はいつも64度前後です。
ChipRは標準70度から最大4度までフラットにできるので、66度(カラーコードGOLD)に決定です。
★出来上がりをコースで使って感じたのはまさにタイトルの通りです。
ゴルフは狙ったターゲットに効率よくボールを運んでいくゲームですから、大事な要素は距離と方向の2つの要素です。
距離に影響が多いのは言わずもがなロフト角ですが、空中にボールを上げるよりはなるべく転がした方が距離感はコートロールしやくなります。
途中にバンカーやマウンドがあればそれを越えるショットが必要ですが、それがなければ転がした方が良いでしょう。
なのでグリーン周りで使うクラブをウェッジと決めつけずに、8番アイアンや9番アイアンを使う方も多くいますよね。
ChipR発売前のプレーヤーテストでも、ウェッジに対して距離のバラつきが少ない事は実証されていました。
ChipRのロフトは38.5度ですが、G430アイアンは9番が37度と最も近い設定です。
であれば9番アイアンでも近い距離感で打てるので、それで事足りると言ってしまうこともできます。
距離の次に考えなくていけないのが方向ですが、方向はライ角に大きく影響は受けます。
9番アイアンの標準は63.5度ですが、ChipRやパターの標準は70度です。
どうしても9番アイアンをパターのように構えると大きくヒールが浮いてしまうので、狙った方向に打つのは難しくなってしまいます。
私も発売当初に標準スペックのChipRはコースで使いましたが、どうしても私にはアップライト過ぎるので、狙った方向より左にボールが出るのは感じていました。
改めてちゃんと自分用にフィッティングすると、その使いやすさは感動を覚えるほどです。
最初のラウンドで4回使ってそのうち3回はオッケーの距離に寄り、まさにチップインを狙うためのクラブだと気付いたのです。
標準スペックのままでもその使いやすさを感じていただけるとは思いますが、ぜひ長さ・ライ角・グリップを自分に合わせて使っていただきたいと思うのです。
2023/07/12 12:00