不調の原因はそこじゃない! その②
★みなさん、こんにちは。
ピンゴルフジャパン フィッティングスペシャリストの藤川です。
前回に続き、不調の原因をつかめずに試行錯誤を繰り返していたお客様のご紹介です。
今回のお客様のお悩みは、ヘッドが軽く感じて振りづらいというものでした。
軽く感じるなら重くすればいいという事で、ヘッドに鉛を貼ったり剝がしたりを繰り返し、どこに貼るのが一番いいだろうというご相談でした。
ゴルフクラブに鉛を貼るという調整は何十年も前から行われていることですが、どうするのが効果的かというのはなかなか難しい問題です。
ヘッド重量が重くなることはスイングウェイトが増えて振り心地が変わるだけでなく、重心の位置も若干変化するので弾道にも少なからず影響が出ます。
このお客様の場合は、弾道に大きく不満はないけど振り心地が軽く感じるというお悩みでした。
★それではフィッティングスタートです。
フィッティング会場では鉛を貼るという調整は致しません。
他のお客様と同じように、ヘッドから順番に診断をしていきます。
G425MAXをご使用中だったので、試しにSFTやLSTを打ってみますが、弾道はMAXが一番安定していたのでヘッドモデルに問題はなさそうです。
ボールの高さは気持ち低めでしたが、ホームコースは低めの弾道が打てた方が良いという事でしたので、ロフトもまだ触らないことにします。
続いてシャフトの検証です。
ご使用中のシャフトはフジクラ社のSPEEDER 569 EVOLUTION ⅦのSフレックスでした。
ヘッドが軽いのではなく、クラブ全体が軽いのかもしれないという事もあるので、同じEVOLUTION Ⅶの661を打っていただきました。
これは重くて振りづらいという事で、ボール初速が出ず飛距離も落ちてしまいました。
重いのがダメなら軽くしてみましょうという事で、次はALTA J CB SLATEのSRフレックスを試してもらいます。
これはもっとダメ、軽くて全然タイミングが取れないという結果でした。
シャフトの重さでもないということは、シャフトの特性が合っていないかもしれません。
SPEEDER 569 EVOLUTION と標準のPING TOUR 173-55は振り感のまるで違うシャフトですので、こちらのSフレックスを試してもらいましょう。
するとスイングのタイミングが取りやすくなったようで、ヘッドが軽く感じる違和感はなくなったようです。
お客様も満足され、今回はシャフト交換で一件落着しました。
そうなんです。当初は軽いと言っていましたが、ヘッドもシャフトもどこも重くはしていません。
しなり具合が合わないことで、それを「ヘッドが軽い」と感じていただけでした。
★フィッティングとは“診断”なのです。
皆さんも体に不調を感じることはあるでしょうが、その原因はご自身で分かりますか。
分かる時もあるでしょうが、薬局で買ってきた薬も全く効かずに何週間も苦しんだという経験をお持ちの方もいるでしょう。
そんな時は病院に行ってお医者さんに診てもらうのが一番です。
しかしお医者さんも魔法使いではありませんから、パッと見ただけで原因は分かりません。
血液検査をしたり尿検査をしたり、時にはCTやMRIを撮ることもあるでしょう。
そうやって様々な検査をして原因が分かるので、的確な対処法も見つかるのです。
これはゴルフクラブでも同じことなのです。
今回のお客様の例でも鉛という“薬”を買ったのですが効きませんでした。
フィッティングで様々な検査をした結果、シャフトのタイミングが合っていないことが原因で、ヘッドが軽く感じていたことが分かりました。
頭痛の原因は頭の中ではなく肩こりだった、といったような感じでしょうか。
ぜひ定期的にフィッティングを受けて、ご自身の健康状態を確認しましょう。
ゆけゆけG425キャラバン隊も残りわずか。
ご予約はこちらからです。
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2021/11/18 11:00