計測する時はボール初速を気にしましょう
★みなさん、こんにちは。
ピンゴルフジャパン フィッティングスペシャリストの藤川です。
みなさんはゴルフショップで新しいクラブを試打する際、計測器の数字は見ていらっしゃいますか。
最近は高性能な計測器を導入しているショップも多く、ゴルフクラブを購入する際に客観的なデータに基づいて決断をすることが出来るようになりました。
また数万円で購入できる簡易的な計測器も各種発売されており、計測しながら練習やラウンドをされている方もいらっしゃると思います。
私もどちらかと言えば計測するのが好きで、仕事ではTrackmanを使用していますし、個人的にもいくつかの計測器を購入して楽しんでいます。
今回はそんな計測器で、どの数字をよく見ておくべきかというテーマでお話したいと思います。
★計測器によって違いがあることを知りましょう。
みなさんもあそこのショップは数字が甘い、この機械は厳しめの数字が出る、そんなご経験はあると思います。
こうしたときはおそらくヘッドスピードや飛距離の数字を見ておっしゃっていることでしょう。
しかしどちらも気にしない方が良いです。
そもそも機械によって測り方や計算方法が違うので、異なる機械で測った数字を比較することに意味はありません。
例えばヘッドスピードは、ヘッドのどこを測っているかで4~5m/sくらいは変わってしまいます。
ヘッドのヒール側を測れば遅くなりますし、トゥ側を測れば速くなります。
またヘッドの形状によっても若干の差が出ます。
私たちがよく聞かれることに「ヘッドスピードが○○m/sなんですが、どんなシャフトが良いですか?」というご質問があります。
機械によって数字が異なるわけですから、ほとんど参考になりません。
ヘッドスピードが速いと重く硬いシャフト、遅いと軽く軟らかいシャフトという傾向はありますが、タイミングの取りやすさというのは人それぞれですので、あくまでもそういった傾向にあるという程度です。
ヘッドスピードを気にしすぎることはやめましょう。
★飛距離でクラブを決めるのもやめましょう。
少し過激な表現ですが、飛距離ばかりを見て打ち比べても意味はありません。
飛距離はもちろんクラブによって飛んだり飛ばなかったりと差があります。
なぜ飛んだり飛ばなかったりするのでしょうか。
その「なぜ」を分析してクラブの良し悪しを判断しましょう。
「飛びの3要素」をご存知でしょうか。
「ボール初速」「打ち出し角」「バックスピン量」のことです。
このそれぞれが変化することで、打球の飛距離というのは変わります。
ボール初速というのは、ボールが飛び出した瞬間の速度のことです。
速ければ速いほどボールが遠くに飛んでいくというイメージのしやすい数字です。
打点やロフト角によって変わりますので、クラブを選ぶとき最も注目すべき数字です。
打ち出し角とバックスピン量は相関的な関係にあります。
この2つで弾道の高さが決まりますが、高すぎても飛びませんし低すぎても飛びません。
また飛距離はキャリーとランの2つに分けることもできますが、その割合というのにも影響してきます。
これは計算値なので機械による差もあります。
計測器というのはインパクトの瞬間や、飛び出した瞬間のボールを計測し、そこから先の弾道をコンピュータで計算しています。
特に落ちた後のランは地面の状況で変わりますので、異なる機械の数字を比較するのはやはりナンセンスです。
★最も信頼できるのはボール初速の数字です。
実はこのボール初速というのは、1万円の機械でも100万円の機械でもあまり差がありません。
ですから違う機械で測った数字でも、機械による差をそれほど気にする必要がありません。
また先に述べたとおり、速ければ飛ぶ、遅ければ飛ばないというシンプルなものです。
ゴルクラブを比較検討する時は、このボール初速が出ているか、またバラつきが少なく安定しているか、というのをまず初めに確認されるといいでしょう。
飛距離を比較するのではなく、飛距離を構成する要素を分析することが重要です。
2020/12/17 11:00