Gシリーズ待望の新製品「G425」ハイブリッドと「G425」クロスオーバーをCLUB PING編集部が比較試打。プレイヤーが求める形状と弾道によって、どちらが最適かどうかは判断に迷うもの。そこで、どのような基準で選ぶと良いのかを、製品の特長とともに藤川清幸ピンフィッティングスペシャリストに聞いた。
本日は「G425」ハイブリッド、「G425」クロスオーバーを試打比較して、どちらのクラブが私にとって最適かを調べたいと思います。まずは、この2つのクラブのどちらかを選択する場合、判断基準となるポイントはあるのでしょうか?
どちらのクラブにも"やさしさ"に繋がるテクノロジーがあります。その中でどちらかを選ぶときは"構えた時の形状"そして"弾道の高さ"に着目してみることをオススメします。
なるほど。では、そのポイントを踏まえて試打をする前に2つのクラブの特徴を教えてください。まずは「G425」ハイブリッドですが、「G425」フェアウェイウッド同様、前作で特徴的だったタービュレーターが無くなりましたね。
ヘッド体積が大きいドライバーでは、このタービュレーターは空気抵抗を抑える役割を果たしますが、空気抵抗の影響が少なくヘッド体積の小さいハイブリッドでは、新アライメントを採用しています。そして、フェアウェイウッドと同じく、2つの新テクノロジーが「G425」ハイブリッドにも搭載されています。まずは"フェース・ラップ・テクノロジー"です。 極薄で高強度のマレージングC300フェースの面積をソールとクラウン部分まで拡大することで、最大のたわみと初速を生み出しています。そしてもう1つが"スピンシステンシー・テクノロジー"です。フェース左右の湾曲(バルジ)と上下の湾曲(ロール)が、ミスヒット時においても最適なスピン量で最大のキャリーと飛距離を得られる新バルジ&ロール設計へと進化しています。
ミスヒットに強いハイブリッドになっているのですね。
その通りです。ソール後方部にウェイトを搭載し、上下左右のMOIも約5%アップしています(前作比/当社調べ)。新アライメントや新テクノロジーも加わり、これまでにない高さとキャリーを生み出し、最大の飛びを可能にしました。ブレない高弾道でやさしくグリーンを狙えるのが「G425」ハイブリッドの特徴です。
新ヘッドでピンをダイレクトに狙えそうですね!では、次に「G425」クロスオーバーですが、とにかく見た目がカッコイイ!ただ、クロスオーバーは打ちこなすのが難しいイメージがあります。
確かに「クロスオーバー=難しい」というイメージがあると思います。しかし「G425」クロスオーバーはトゥとヒールに重量を配置し(重量周辺配分設計)、前作よりも約4%高いMOIを実現し(前作比/当社調べ)、さらにミスヒットに強い設計となっています。また、精悍なルックスかつ疎水性が高いハイドロパールステルス仕上げになっています。雨天や露などの芝でもスピンがしっかり効いてくれます。
そして、球をより上がりやすくするために前作より約7%薄く設計された(前作比/当社調べ)、極薄で高強度のマレージングC300フェースとPING独自の中空構造の組み合わせが、強弾道で最大のキャリーを生み出します。また、ヘッド内部に新サウンドリブを搭載していますので、心地良い打球音もぜひ体感してみてください。
先入観から難しいと決めつけていましたが、"やさしさ"が詰まったモデルなのですね。それでは早速それぞれのクラブを試打して弾道を比較してみたいと思います。
まずは「G425」クロスオーバーの4番(ロフト/22.5度)から打ってみましょう。
3球打たせてもらいましたが、しっかりと飛距離も出ていますし、3球とも方向性がブレていません(モニター白丸部分)。アイアンと同じように振れているイメージです。ただ、私はアドレスで構えた時に難しいというイメージが先行してしまい、思い通りにスイングできなかったように感じます。
では、結果を見てみましょう。キャリーで151ヤード、トータル161ヤードという結果になりました。しっかりと高さも出ていますよ。「G425」クロスオーバーは強弾道でランが出るクラブなので、風が強い時など有効的に使用できます。では次に「G425」ハイブリッドも4番(ロフト/22度)を打ってみましょう。
とても構えやすくて、しっかりスイングすることができました(モニター黄丸部分)。また、1球だけ自分ではトップしたと思った球も、他の球と変わらない飛距離と方向性です。
それが、今回の新テクノロジーであるミスヒット時でも最大の初速とキャリーを生み出す"スピンシステンシー・テクノロジー"の効果です。キャリーで159ヤード、トータル163ヤードですので「G425」クロスオーバーとトータルの飛距離はほとんど同じですが、キャリーが大きく違いますね。「G425」ハイブリッドの方が高い球で直接ピンを狙えています。池越えのパー3や、グリーン手前に障害がある場合でも安心してピンを狙うことができる弾道ですね。
モニター白丸部分が「G425」クロスオーバー、モニター黄丸部分が「G425」ハイブリッド
構えた時の"形状"で比べてみると、より安心感があったのは「G425」ハイブリッドです。そして"弾道の高さ"についても、私は長いパー4のセカンドや、パー3のティショットでピンを狙う事が多いので、より高弾道な「G425」ハイブリッドの方がマッチしていますね。
結果を見てもわかるように、同じ飛距離でも使用するクラブによって弾道は異なります。アイアン形状を好む方には「G425」クロスオーバー、ウッド形状を好む方には「G425」ハイブリッドがそれぞれ構えやすさの目安になります。 構えた時の安心感は人それぞれ感じ方に違いがあるのでより安心感を得られるクラブを選択するのが良いですね。「G425」クロスオーバーは、ロングアイアンより寛容性が高く楽に高弾道を生み出し、ハイブリッドよりも操作性に優れて強弾道となります。ただ、今回は「G425」ハイブリッドの弾道の方がコース攻略的にマッチしていると言えそうですね。
ありがとうございます。「G425」ハイブリッドならブレずにグリーンを捉えられそうです!
今回の比較では「G425」ハイブリッドの方がマッチする結果になりましたが、ここからもう少し飛距離を望むのであれば、ロフト/ライ角調整機能などを活用してみるなど様々なフィッティング方法があります。ちなみに「G425」クロスオーバーはオーダー時に6種類のライ角が選べるのもポイントです。皆さんも自分に最適な弾道でコースを攻略するために「G425」ハイブリッド、「G425」クロスオーバーの違いを試打会などでぜひご体験ください。
今回の「G425」ハイブリッドで新たに登場した番手が7番(ロフト34度)。投入する目安としては7番アイアンと8番アイアンの距離の差があまり無い方ですが、それ以外にも7番アイアンに苦手意識がある方、非力でもしっかり飛ばしたい方などにオススメできるクラブです。
また、アイアンの中で、飛距離の差がほとんど無くなってしまう番手はありませんか?それは、弾道の高さが原因の1つです。長い番手になるほど弾道は低くなり、適正な飛距離の差が番手間において作りにくくなる場合があります。こういったケースでは、ハイブリッドをその番手の代わりに入れる事で、番手ごとの最適な飛距離の差を生み出すことができるようになります。