~求めるショットに「合わせた」ウェッジ作りがPINGのブレない理念~
PINGの創始者カーステン・ソルハイムの夢は「こんなしびれる場面でも常にベストなインパクト条件を生み出し、ボールをピン近くに運ぶことのできるウェッジを開発すること」でした。
カーステンが開発し、1982年に発売した「EYE2」ウェッジには、「S」「L」と刻印された2本のウェッジがありました。Sはサンド(Sand)、Lはロブ(Lob)の頭文字です。
カーステンは、バンカー脱出のために適したロフトとヘッド形状、そしてソール形状に工夫を凝らしたエクストラクラブとして「S」ウェッジを開発したのです。そして「L」は誰もがふわりと高いアプローチが打てるように、適したロフトとヘッド形状を「S」とは別に考えて提案したものでした。今のようにそれぞれのロフト角が何度でバウンス角が何度とヘッドに表示することはしませんでした。
この2本は単なるロフト違いのクラブではなく、「このEYE2ウェッジを使えば、苦手なバンカーショットやミスしやすいロブショットが簡単に打てますよ!」ということを伝えたかったのです。
最新のGLIDE 3.0ウェッジシリーズでは、多様化するプレースタイルに合わせ、ロフトとソールグラインド(バウンス含む)を拡充して展開。操作性を徹底追求したラインアップとなっています。
「GLIDE」というモデル名は、インパクト直前で地面にソールを接触させることで、ヘッドがスムーズに“滑る”ところから来ています。テレビ中継などでコメンテーターが「今のショットはバウンスを上手に使っていますね」と解説したりしていますが、ウェッジの使命はバウンスを地面に当てることでソールを滑らせることで“正しい振り抜きに導く”ことにあるのです。
簡単にいえば、インパクトエリアでヘッドが振り抜き方向にスムーズに動く(滑る)からこそ、しっかりとフェースとボールをコンタクトさせることができるのです。
ウェッジショットを高速度撮影すると、ご覧の通りインパクト直前でボールとフェースの間に芝や砂などが介在していることがわかります。地面にあるボールを直接打たなくてはいけないウェッジショットでは、水分、芝、土などの介在を避けることができないのです。だからこそ、ウェッジの開発では表面の仕上げ(平面性/疎水性)、溝のデザイン、ソール形状、リーディングエッジの形状、バウンスなど、設計に関わるすべてがスピンコントロールに影響してくるのです。
さらに説明を続けます。この高速度写真のようにダウンスイングからフォローにかけてクラブヘッドは、地中に潜るような方向に進んで下りてきます。このため地面の硬さ、ヘッドの入射角度によってはヘッドが地面に突き刺さってしまうことも珍しいことではありません。そこで、地面に潜ろうとするチカラを振り抜きたい方向(前方)に転換するために、入射角(アプローチスタイル)や地面の状況(地面の軟らかさ、砂質、芝の種類など)に応じて選択できる様々なソール形状のウェッジをラインアップする。これがGLIDEウェッジ開発の基礎になっています。
その結果、誕生したGLIDE 3.0ウェッジのソールバリエーションは4種類。46度から60度まで、それぞれに多彩なロフトモデルを用意しています。さらにそれぞれのソール効果を最大化するためのリーディングエッジ、バウンスを組み合わせているので、多種多様なゴルファーに最適な1本を見つけることができるのも特徴です。
そして、正しいインパクト条件を生み出すためにウェッジのスコアライン(溝)はとくに重要な役割を果たします。溝はボールのカバーに鋭く喰いつくだけでなく、ボールとフェースの間に挟まった芝生を切り、水滴、土などの介在物を溝内に格納・排出する役割を果たします。
GLIDE 3.0ウェッジは、削り出し加工による鋭い溝デザインになっているだけでなく、従来モデルよりリーディングエッジ側に溝を1本増やすことで、さらに実行的にグリーン周りで安定したアプローチショット、理想的なアプローチスピンを生み出すことに成功したのです。
また、ゴルフは晴れた日ばかりにプレーするものではありません。晴れた日でも朝露などでボールやクラブフェースには多くの水滴がついてしまうのがゴルフです。さらに、ぬかるんだライではソールの機能も低下し、スムーズなヘッドの抜けが得られなくなってしまいます。
GLIDE 3.0ウェッジは疎水性の高いパールクローム仕上げを採用し、ボールが濡れた状態からでもフェースに水滴や土を張り付かせず、クリーンに近い状態でのコンタクトを可能にしています。また、この高い疎水性をソールにももたせることで、さらに地面を滑りやすくなり、あらゆる条件下でも適正な抜けを確保することで高いスピン性能を発揮することが可能になっています。
「難しいライコンディションだからこそ、
なるべく簡単に、狙った高さ、
スピンでピンそばを狙って欲しい」
そのために常にあらゆる角度から検証を加え、
新たなテクノロジーと解決策を生み出し、
必ず性能を大きく向上させたニューモデルを発売していく。
それが創業以来受け継がれている、PINGのブレない開発マインドです。