完全Vで通算14勝目!
昨年の最終戦LPGAツアー選手権リコーカップ以来の優勝にも、ウイニングパットを決めた時のガッツポーズは控え目だった。「優勝したけど、できたのかなって不思議な気持ちです。まだ実感が湧かないですね」。最終日は前日までの爆発力を発揮できず、1バーディ、1ボギーと手堅いゴルフでイーブンパー72。それでも前日までの貯金をいかし、今季初勝利を挙げた。
大山選手は初日に7アンダー65で飛び出すと、2日目には9バーディ、ノーボギーの9アンダー63と完璧なゴルフで通算16アンダー。自己ベストとコース記録に並ぶ好スコアで、2位に6打差をつける独走状態に入った。
3日間で18個のバーディを奪取したが、その要因は日本では9月5日にデビューしたばかりの「G30ハイブリッド」と6月下旬から使用する「スコッツデールTR GRAYHAWKパター」。大会後には「ショットとパットがすごく良かった」と振り返っていた。
また、「G30ハイブリッド」を「とにかく真っすぐ飛んでくれて、しかも距離が出てボールも高く止めやすい」と評価する大山選手だが、バーディラッシュの武器となったパターを大絶賛。「ここぞというパターを決められた。打感も良いし、転がりも強いのでグリーンの状況が悪くても良い転がりをしてくれました。このパターに出会えていなかったら、今回の優勝はありませんでしたね」。
「スコッツデールTR GRAYHAWKパター」を使用してからは、この大会直前の出場6試合中、3試合でトップ5入りしていたが、このトーナメントで優勝したことで、一層このパターの高い性能を証明した。
ドライバーの飛距離は年々アップ
大山選手にとっては、この大会は「どうしても勝ちたい試合だった」。2009年に左肘を故障し、公傷制度を使い長期間ツアーを離れた。そして復帰したのが、2010年のこの大会。「ここの1番に立つとその時のことを思い出しますね」。苦しかった当時を振り返りながら、勝利を噛みしめた。
賞金女王とケガによる長期離脱。明暗を経験した大山選手は、プロ14年目とベテランの域に達した。しかしドライバーの飛距離は年々アップしているという。「現在はG30ドライバーもシャフトとのマッチングも併せてテスト中で、かなり良い感触を実感していています。実践で使えるのが今から楽しみです」。現状でも優勝できるほどベストなプレーを続けているのに、ここに「G30ドライバー」が加わったら…。
「是非メジャー大会でも優勝したいです」。次戦はメジャーの日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯。更に進化した大山選手のメジャー制覇に注目だ。