ライ角だけじゃないですよ。//

どうもこんにちは。フィッティングスペシャリスト藤原です。
ピンのアイアンはライ角だけでなく、ロフトも指定ができることをご存知でしょうか?
あまり公にはしていないので、ご存知ない方も多いかもしれません。
ただ、ロフトに関してはライ角と同様に度数の指定ではなく、ピン流の指定方法となります。では、説明してまいります!201511123

ピン流の指定方法とはずばり、番手間の1/2分・1/4分・1/8分のロフトをストロング(立てる)、もしくはウィーク(寝かせる)の指定になります。

(例)S55アイアンの場合は6番アイアンが30度のロフトで、7番アイアンが33度のロフトで8番アイアンが37度のロフトになります。 番手間のロフトピッチは6番~7番が3度、7番~8番が4度の差となります。

指定方法は番手間ロフトの1/2分・1/4分・1/8分になりますので、
3度差の場合は1/2は1.5度、1/4は0.75度、1/8は0.375度、
4度差の場合は1/2は2度、1/4は1度、1/8は0.5度の調整になります。

そのため、S55アイアンの7番アイアンと8番アイアンを1/2ストロングと指定した場合は、7番は33度を1.5度ロフトを立てて31.5度、8番は37度を2度ロフトを立てて、35度のロフトに調整して、作られるということになります。

なぜ、そのような指定方法を取っているのか?

それはアイアンのロフトピッチに関係があります。
S55アイアンの場合は3番が21度、4番が24度、5番が27度、6番が30度、7番が33度、8番が37度、9番が41度、PWが46度となります。
番手間のロフトピッチが3度の所もあれば、4度、5度の所があるのが、分かるかと思います。

ピンのアイアンは番手間の飛距離ギャップを大事にしています。
そのため、番手間の飛距離差が開きすぎないように設計されています。

あくまで例ですが、番手間の飛距離差が10ヤードの方が全番手を2度立てた場合、どのような現象が起きるでしょう。
答えは番手間の飛距離ギャップが崩れ、3度ピッチの所は12ヤード飛んで、4度ピッチの所は10ヤード、5度ピッチの所は8ヤードの飛距離ギャップになってしまいます。
皆さんどうでしょうか?出来れば、 10ヤード刻みや15ヤード刻みで、均等に飛んで欲しいですよね。

極端な話、5番アイアンが160ヤードで7番アイアンが155ヤードで8番が140ヤードみたいな飛距離ギャップがあったら、ゴルフがより難しくなりますよね。
ロフトの指定方法だけでもロジックがあるのがピンです。

 

最後に、ピンアイアンを新しく作る時にロフトも調整したいという方がいらっしゃいましたら、まずはフィッターにご相談の上、決定をするようにしてください。
安易にロフト調整をするとバウンス角が変わり、返って打ちづらいクラブになってしまいます。

次週はどんな方にロフト調整がおすすめなのかをお話させていただきます。