2023年シーズンはシニアツアーで2勝と活躍。また、2021年の「全英シニアオープン」では8位に入るなど、海外の試合にも積極的に参戦している塚田好宣選手。クラブへの造詣が深く、新モデルを積極的に活用しながら結果を残す塚田選手に話を聞きました。
――2023年はシニアツアー2勝と良い年になりました
塚田:そうですね。ゴルフの内容で言えば、ドライバーが良かったかな。海外シニアの試合に出場すると、飛距離の差を痛感することが多いので、飛距離アップに取り組んできました。と言っても、いきなりビュンビュンと速くは振れないから、まずは効率よく、スピン量を少なくして、落ちてからも転がるショットを目指しました。
構えやグリップ、ボールの位置とか色々と変えてきたんですが、その副産物として、今までのような大きな曲がりのドローではなくて、真っすぐに近いフェード寄りの弾道に変化しました。その分、以前より振ってもボールが思った幅に収まってくれるようになりました。
今、飛距離は頑張って280ヤード前後なので、海外の試合に出るなら、プラス15ヤードくらい欲しいですね。
――客観的に見て、自身はどんなプレーヤーだと思っていますか?
今は自分の中で、ドライバーが一番の得意クラブです。少し狭いところでも、自信を持ってドライバーを打っていけるし、良いドライバーショットを打ち続けて、リズムを作っていくタイプのプレーヤーだと思います。
ドライバーの球筋は変わってきたけど、アイアンのほうはまだ変わりきっていなくて、ウッドだとフェードも打てるんですが、アイアンでフェードが打てない。ショートゲームもまだまだかなと思います。
――バッグの中で気に入っているクラブは?
アイアンですね。6番からPWまでをマッスルバックの『BLUEPRINT T』、4番と5番を『BLUEPRINT S』にしています。昨年、優勝した翌週にクラブを替え、2勝目はこのアイアンで挙げました。一応、このモデルを使って、世界で一番最初に優勝した選手になります(笑)。実は、2013年の東建ホームメイトカップで優勝したときも、世界で初めて当時のモデル『G25』で優勝しました。こういうのは、ちょっと嬉しいですね。
アイアンは、前作の『BLUEPRINT』よりも簡単になって、球がとても上がりやすくなりました。見た目はカッコよくて、シャープですけど、打つと簡単なんです。『BLUEPRINT』ぽくないくらい簡単。ボールが上がるし、スピンもしっかり入ります。
――塚田選手は、アベレージゴルファー向けのやさしいモデルも積極的に試していて、それを試合でも使って良い結果につなげています。クラブへのこだわりはありますか?
結局、パッと出会って、いいなと思えたら、どんなクラブでも使えるタイプなんです。『G25』のときも年末のピンのイベントで打ってみて、これは簡単だなと思って、そのまま持って帰りました。それがツアー初優勝につながりました。
プロは、弾道の高さや球質にこだわりのある選手も多いですけど、僕は違います。このクラブはこういう球が出るものと考えて、そのまま使います。例えば、料理を食べる時に、中華やイタリアンを食べて、これは自分がいつも食べている和食とは違うからといって、味を和食に近づけたら台無しになるでしょう?(笑)
パーシモンからゴルフを始めて、メタルに変わり、チタンに変わって、ずっとやってきたけど、結局全部違うので。前と同じような弾道を打ちたいということはないんです。
――今日(インタビュー実施日)は、「CLUB PING」のファン感謝デーです。イベントの印象は?
そもそもこのイベントへの参加は抽選じゃないですか。すごい倍率の中で来てもらっていて、とてもありがたいです。ファンの方は朝から目をキラキラさせながら、写真を撮ったりして。皆さんPINGのクラブを使ってくれているし、最近はウェアもPINGという方が増えてきて、本当にPINGが好きなんだなと。僕らも楽しいですね。
――2024年シーズンの抱負を教えてください
あと10年はやりたいと思っていて、健康で65歳くらいまでは頑張りたいです。海外の試合にも積極的にチャレンジしたいですね。シニアのメジャー大会に出場したり、ヨーロッパのシニアツアーにもQT(クオリファイングトーナメント)から行ってみようかなと検討しています。今は円安なので、条件はなかなか厳しいですけど。
あと何年かすると、PGAツアー・チャンピオンズにタイガー・ウッズが出てくるのではないかと思うんです。そうなるともっとシニアが盛り上がると思うので、その時にも頑張っていたいですね。
ー了ー