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ゴルフを始めたいけど、何から取り組めばいいか分からない…というビギナーの方へ。PINGが誇る「敏腕プロコーチ」が、上達スピードが格段にアップするゴルフスイングの大切な基本を伝授。第3回は岩本砂織コーチです。ゴルフの原理原則をシンプルに理解できる分かりやすいレッスンは目から鱗の内容ですよ。

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自分なりの動き方を知ることが上達の近道

私がレッスンで大切にしていることは、その人が本来持っている体の使い方、動きのクセを見つけて、それをしっかり伸ばしていくことです。なぜなら、人それぞれ骨格や筋力が違うことはもちろん、呼吸のテンポや歩く速さにも違いがあるからです。

まずはゴルフスイングの原理原則について知ってもらい、その動きを自分なりの感覚で覚えてもらうことで、上達スピードが圧倒的に違ってきます。自分に合ったスイングが身に付きますので、好不調の波も出にくくなり、長くゴルフを楽しむこともできるでしょう。今回は私のレッスンを受けた際に、最初に取り組んでもらうエクササイズを紹介しますので、ぜひご参考ください。

  • 止まって形だけを作ってもスイングは向上しない

    エクササイズを行うにあたって注意してもらいたいのは、動きを止めて形を作らないことです。写真を真似するように形を作っても、それはあなた本来の動きとは異なる可能性があるからです。ポイントをしっかり押さえた上で、体を動かしながら、結果的に狙った形になるようにエクササイズを行うことで、スイングの本質が理解でき、自分なりのクラブの振り方が分かってきます。

IWAMOTO'S Point
  • 1回目のレッスンでは「腕回し」をして
    その人のクセを見極める

    エクササイズに入る前に、まずは両腕をそれぞれ違った方向にぐるぐる回してみてください。できる限り速く回すことがポイントです。そして、途中で両腕の回す方向を“反対”にしてみてください。そうすると、体の動きが一気にぎこちなくなり、上手く動かなくなりませんか?

    人間の体は運動中、逆の動きや反対の動きを考えた瞬間に、ぎこちなくなるものなのです。さまざまスポーツを経験している大人ほど、考え過ぎて動けなくなることが多いですね。この動きから学んでほしいことは、自分なりの動かし方を見つけるためには、頭で考え過ぎてはいけない、ということです。体と対話するように直感的に、無意識の動きを引き出すことが何より大切なのです。

体とクラブの動かし方を別々に覚える

前置きが長くなりましたが、ここからは2つのエクササイズに取り組んでもらいます。ポイントは、正しい体の動きと、クラブの動きを分けて覚えること。ゴルフのスイングは少し特殊で複雑な面もありますので、体とクラブ、それぞれの動きを個別に覚えた方が、本質を理解しやすく、動きも身に付きやすくなります。

Lesson 1体の回転で腕を回す


  • 足を肩幅に開いて直立し、体を回転させることで腕を回していきます。腕はブランブランと脱力させて、上体にくっついているだけというイメージを持ちましょう。上体の力だけを使うと腕の振りはゆっくりで、体の近くを通りますが、下半身を使って、体の回転スピードを上げると、腕は速く動いて、体から離れていくことが分かるはずです。このエクササイズで知ってほしいのは、「脱力すれば腕は体から離れていく」ということ。実際のスイングでも、体の回転で腕とクラブを振る感覚が大切になりますので、このシンプルなエクササイズでその本質をしっかり掴んでください。

Lesson 2しゃがんで立ち上がる動きでクラブを1回転

次はクラブの動かし方を覚えるエクササイズです。右手でグリップの端をつまみ、ヘッドをブランブランと振り子のように動かしていきます。手元の動きが小さくても、ヘッドが大きく弧を描くように動くことをまず体感してください。何度か振り子運動をした後で、今度は、しゃがんで立ち上がる動きを取り入れてみましょう。ヘッドが上がり切って、戻り出したタイミングでしゃがみ、そこから立ち上がることでヘッドが加速し、勢いよく1回転すればOK。これが足を使ってヘッドを走らせる感覚になります。

振り子のように動きたいクラブの特性を生かし、体を上下に動かすことでヘッドを急加速させる。この感覚を最初の内から持っておくと、効率良くボールを飛ばせるスイングがすぐに身に付きますよ。

両腕を開いて手の平をパチン!と合わせる

よりスイングに近い動きのエクササイズで、ボールを打つ前の最後の仕上げをしましょう。直立して両腕を“アジの開き”のように広げ、その体勢から右向け右をするように両手の平を合わせます。手だけを動かしても片側の手には届きませんので、足を使って、体全体をネジるように動かすことが大切です。

ただし、上体が横に流れるのはNGです。直立したポジションから頭の位置がなるべく動かないように意識して、エクササイズを行いましょう。右、左と交互にエクササイズを行うことで、スイングで大切な軸を保つことや左右の足に体重を乗せる動きが自然に身に付きます。

IWAMOTO'S Point
  • 前傾して手の平がピタッと付けばボールを打つ準備はバッチリ!

    直立して手を合わせられるようになったら、上体を前に倒した前傾姿勢を取って、同じ動きをしてみましょう。直立より難易度が上がりますが、より実際のスイングに近い動きになりますので、ここでしっかり両手の平をピッタリ合わせられるように練習します。ここまで来れば、スイングをするために必要な体の動かし方がバッチリ身に付いていますので、すぐにでもボールを打てるはずですよ。

解説・岩本砂織

いわもと・さおり。山口県出身。1992年、世界に通用するプロゴルファー育成を主旨とする「スーパーレディープロジェクト」に合格し、渡米。US LPGAツアー88勝のキャシー・ウィトワースに師事し、ゴルフの基礎やマネジメント、トレーニング理論、メンタルトレーニングなどを学んだ。その後、ティーチングの道を志し、現在は横浜元町の「SALTO GOLF」を主宰し、プロゴルファーや多くのアマチュアゴルファーを指導。東京2020オリンピックでは、JGAナショナル強化部会テクニカルコーチとして、選手の育成にも尽力した。

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