こんにちは。ピンフィッティングスペシャリストのアキモトです。
この時期に台風7号まで発生するのは数十年ぶりらしいですね。天気図を眺めながらぼんやり…。
tenki.jpより
”風速とかけてPINGと解く。その心は…?”
≪TURBULATORS≫!?
失礼しました。今日は≪TURBULATORS≫について少々。
PINGは、他分野での効果を得ている構造からヒントを得て製品化することがあります。いまや当たり前の”キャビティ―バックアイアン”も、PING創業者カーステン・ソルハイム氏がテニスラケットをヒントに開発したなんて話もあります。
※PING初のキャビティアイアン”PING69”。
≪TURBULATORS≫=乱流翼
乱流翼(らんりゅうよく)は主に軽飛行機、グライダーや模型飛行機に使用される翼型の一種。タービュレーター (en:Turbulator) またはボルテックス・ジェネレーター (en:vortex generator) という翼面の突起物によって翼面に乱流を生み出し、翼面が常時乱流境界層に保たれる翼を言う。
参照:ウィキペディアより。
G30やRhapsodyに採用されている≪TURBULATORS≫も、航空機やスポーツカーやレーシンングカ―などに使われている≪TURBULATORS≫の応用版です。
さて、このタービュレーター、多くの人は”ヘッドスピードがUp”するとの認識をされていると思いますが、実際は”ヘッドスピードが落ちないで済む”というのが正しい解釈です。
物体が飛んで行くとき、後方の乱流により”真空のような”部分が発生します。その際、気圧の低い方へ”引っ張られる”力が発生し物体のスピードを落とします。おもちゃ売り場を離れだからない子供を無理やり引っ張っている親や、言う事を聞かないワンちゃんのリードをぐいぐい引っ張っている飼い主状態。ちょっと違うか…!?
そんな、後方へ引っ張られる力を軽減できるのが≪TURBULATORS≫の効果です。
Wind-Tunnel Testing: G30 Turbulator Technology. You Tubeより。
ドライバーヘッドが動く程度のスピードじゃ大した効果無いんじゃない?と私も思ったのですが、車のスピードに置き換えると…
30m/s→108km/s
40m/s→144km/s
50m/s→180km/s
100km/s以上で走る車から手を出したことのある人は、その風圧がどれくらいなのかイメージできると思います。へッドスピードの速くない女性でも、十分効果があるという事です。
≪TURBULATORS≫は、日本男性の平均的なヘッドスピード40m/sで、”最低でも1%分”の効果があり、0.4m/s分ロス軽減、距離が2~3ヤードUp。このロボットのデータに対し、実際に自然環境で人間が使うことで更に+アルファーがあるかもしれません。この2~3ヤードUp、ヘッド開発においてはとんでもない事なのです。新製品発売の度に10ヤードUp、20ヤードUpしてたら皆さんとっくにバッバ・ワトソン選手並み~!!
実は、ヘッドスピードを上げる方法がもう一つあります。パワーが付くように鍛える!とかではないですよ~。
はい、それは”ヘッドを小さくする”こと。
一番ヘッドスピードを出す簡単な方法です。
しかし、小さいという事は芯も狭く、ミスにも弱いヘッドになりますよね。 PINGの信念には反する道具になりかねません。460ccで空力的には不利な部分を≪TURBULATORS≫カバーし、≪重ヘッド≫で初速Upと、ミスヒット時の強さを実現している訳です。小さくても今以上の性能が実現できれば、PINGも小さいヘッドを発売するかもしれませんね…。
PINGは合板ウッドの時代がら空力を取り入れていたんねすね~!
小さい突起に隠された≪TURBULATORS≫効果。
実感してみませんか?
フィッティングスタジオの予約はこちらから。