PINGがこだわる
世界で数々のツアー勝利を挙げてきたPINGパター史上で最高品質を誇る「PLD」シリーズ。
ルックス、打感、テクノロジー…すべてに妥協を許さず追求した
この削り出しパターの開発背景や特徴、魅力を
米PING本社に勤務して41年、現PLD開発責任者のジョン・スーザに語ってもらった。
世界最高峰のツアープレーヤーのみに提供している完全削り出しのプレミアムパター。
選手はパターの性能やヘッド形状、打感、フィーリングなどに細かいこだわりを持つ。その要求に応えて最高の製品を提供することを目的に2016年に米本社で立ち上げられたプログラムが"PLD"[PING PUTTING LAB DESIGN(ピン パッティング ラボ デザイン)]だ。
2022年、ツアー選手のために生み出されるこのPLDモデルを、パターにこだわるアマチュアにもぜひ使用してもらいたいという思いから、厳選した4モデルをついに一般向けに解禁。それが、PLD MILLED PUTTER(ピーエルディー ミルド パター)だ。
「PING創業者のカーステン・ソルハイムは、1960年代に自らツアーの試合会場に赴き、当時のツアー選手たちからフィードバックを得て1本のパターを作り販売を始めました。それが、ミスヒット時でもヘッドがブレずにまっすぐ転がる「ANSER(アンサー)」です。パターの"答え(アンサー)"である意味を込めて名付けられたこのモデルは、現在もパターの完成形のひとつとして広く愛されています。」
「1960年代と現代のゴルフ環境ではグリーンの状況からパターの打ち方まで大きく異なりますが、原点に立ち戻り、ツアーで勝つために選手から受けたリクエストをもとに最高品質で作られたPLDミルドパターを販売することになりました。」
「PLDミルドパター」と通常ラインアップのパターはどこが違うのでしょうか?
「大きな違いはヘッドがすべて精密な削り出しという点です。削り出し製法を採用する理由は、ツアー選手が好む打感の良さが第一にあります。しかし、1つのヘッドを削り出すだけでも4時間以上がかかるため、生産量の観点から一般向けの販売は行っていませんでした。」
なぜ時間と手間のかかるパターを今回一般販売することになったのでしょうか?
「冒頭でもお話ししたように、ツアーの意見を取り入れてより良いモノ作りをするというPINGの原点に戻ることが1番の目的です。PLDは元々ツアー選手のために立ち上げられ、世界のトップレベルで求められるパターの見た目や打感、打球音、フィーリングに対応するためのプログラムです。プログラムスタート以降、ありがたいことに勝利数も増え順調に結果が出ています。だからこそパターにこだわりを持ち、1打でもスコアアップしたいと願うアマチュアの方にも、最高品質から生み出されるメリットや所有感を共有してもらいたいと考え、販売を決定しました。」
歴史を遡ると、創業者のカーステン・ソルハイム自身がパターが大の苦手だったからこそ、カップインできるクラブには何が必要なのかを日々考え、トッププロから直接フィードバックを得てパター作りに没頭した。
「PLDミルドパター」は、スコアアップにつながるやさしさと、世界で活躍する選手の感性プロの感性が掛け合わさった、まさにPINGの原点回帰と呼べるモデルだ。
「ツアー選手が求めるパターは、形状に1ミリの狂いも許されないシビアな世界です。トップラインやフランジ(パターヘッドの後方に出っ張っている部分)にかけての角度など複雑な形を従来の鋳造製法で作成すると、高い再現性を保つことが極めて困難になります。精密な削り出し製法では、プロが要求する形状、そして打感までもハイクオリティーな完成度で皆様にお届けすることができるのです。」
削り出し製法で作られる溝は、打感にも大きな影響を与えるのでしょうか?
「パターの打感というものを端的に言葉で表現することは難しいのですが、今回の4モデルはPING初採用のディープAMP[Aggressive Milling Pattern(アグレッシブミーリングパターン]溝となっています。これは100通り以上もの溝形状を選手に試打してもらい、最も好評を得た転がりをする溝から選びました。」
「一般的にはやわらかい打感を求める場合はヘッドにカーボンスチール素材を採用するのですが、やわらかくなりすぎてしまうデメリットがあるため、PLDではあえてステンレススチールを採用しています。溝を深くすることにより、硬すぎずやわらかすぎない重厚感のある打感の再現に成功しました。」
多くの形状が存在するパターの中からこの4モデルが選ばれたのはなぜでしょうか?
「様々なプロトタイプの中で、この4モデルは特にプロから高い支持を得ています。また、どのようなストロークタイプの方でも必ず合うものが選べるようにラインアップしました。PINGは60年以上のフィッティング提供実績がありますので、プレーヤー個々にフィットするパターを提案することができます。ツアー選手も試合が無い時には本社に赴き、パターフィッティングをしばしば行っています。アマチュアの方もツアー選手と同じフィッティングができるのでスコアアップに繋がりますよ。みなさんにもぜひ試してみて欲しいと思います。」
「私は長年PINGに勤めていて、今は米本社のWRX(ワークス)という部署に所属しています。ここではツアー選手のクラブリメイクや、特別な加工調整、クラブ開発等を行っています。ツアー選手を支えることはもちろん大切な私の仕事ですが、クラブにこだわるアマチュア一人ひとりにも合うクラブが提供できるよう、これからも開発に携わっていきたいと思います。我々の色々な想いが込められたPLDミルドパターをぜひご体感ください。」
PLDでバッバ・ワトソン選手が初期に形状の開発に携わった「ANSER」はPINGで最も歴史のあるモデル。
従来の特徴は維持しつつも、随所に新しい要素を取り入れている。
◎ セキ・ユウティン ◎ アダム・ブランド
◎ ホアキン・ニーマン
※2022年8月時点
シンプルながら目を引くサイトラインによって、直線的に狙える「ANSER 2」。
プロアマ問わず非常に人気が高く、PINGがこれまで発表したパターシリーズで常に採用されているモデル。
◎ 額賀辰徳 ◎ 大出瑞月
※2022年8月時点
新旧各シリーズにおいて同名のモデルがラインアップされていても、厳密には形状に微妙な違いがある。
製品としてヒットした形状を次シリーズ以降もそのまま継続するかといえばPINGの答えは"NO"。
時代のニーズに合わせ、PINGのパターは日々進化を止めることはない。
ここでは、PLDミルドパターにおける「ANSER」と「ANSER 2」を比較してそれぞれの特徴をみてみよう。
ANSER
ANSER2
世界ランキング上位に食い込むビクトル・ホブラン選手が開発に携わったモデル。
彼の求めるフィーリングや打感などの要望が余すことなく詰め込まれている仕様。PGAツアーで既に3勝(2022/7/17時点)と結果も着実に残している。
◎ ビクトル・ホブラン ◎ ウィルコ・ニナベール
◎ ガン・チャルングン ◎ 渋野日向子
※2022年8月時点
ヘッドサイズがマレットとミッドマレットの中間となっていることで操作性と寛容性を持ち合わせたモデル。
また、角(ツノ)部分がボール幅のため視覚的にターゲットに対して構えやすくなっている。
◎ チャン・キム ◎ コリー・コナーズ
◎ カトリーナ・マシュー
※2022年8月時点