こんにちは。ピンフィッティングスタジオのアキモトです。
夏を感じさせる日が増えてまいりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?
”照りつける太陽。日焼けした手に握られた光り輝くゴルフクラブ。”
響きとしては素敵ですが、実際光り輝きすぎるとプレーの妨げにもなりかねません。PING創業者カーステン・ソルハイムが設計してきた数多くのパターやアイアンを振り返ってみると…
プレー中、反射して眩しいと感じてしまうような仕上げのモデルがほとんど見当たりません。
KARSTEN Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ。
PING EYE2。
どちらも眩しさを感じさせない仕上げですね。
すべてカーステン氏が意図的に行った仕上げなのです。
日本人からすると、アイアンはピカピカしててナンボ的な感覚があると思います。プレーよりも練習場メインで、練習後は念入りに手入れ行い、ヘッド一つ一つにカバーをつけて…。物を大切にする心。世界に誇るべき日本の美徳。素晴らしい!
かたや海外のゴルファーはというと、駐車場に付くと自らバックを担ぎカートを借りてゴー!練習場も芝からバンバン打てて、プレー中もショット後はバックへ投げ込むようにガシャッ。アイアンヘッドはあっという間にドロドロキズキズ。でも、そんなこと気にもしません。自然の中でボールをぶっ叩くんだから傷つくに決まってるでしょ~!くらいの勢い。
んん~、ワイルドっ!
そんな、文化の違いもあり、カーステン氏は傷がつきにくく耐久性に優れ、かつ太陽光が反射しにくい仕上げにしました。
左のヘッドはかつてのPINGアイアンの最終的なし表面仕上げです。”タンブリング”という工程後、このような仕上がりになります。見覚えのあるゴルファーも多いのでは…?対して右の仕上げは、近年のアイアンヘッド。ガイソン加工でキメの細かい処理が施されています。
※タンブリング…人の手を加えず、均一な表面処理が行えます。
ここ数年のモデルは更に繊細な仕上げで高級感が増しています。が、ピッカピカなミラー仕上げのモデルはありませんね。
PINGアイアンがメインで使用している17-4SSや431SSのステンレス製ヘッドも、バフをかけてピッカピカのミラーフィニッシュにすることは容易に出来ます。過去日本に流通するモデルのみミラーフィニッシュにしたモデルも存在しました。
これや、
これ、
そしてこれも。
ただし、”ソールとバックフェイス周りのみ”磨きあげ、アドレスして目に入ってくる部分にはミラー処理をしていません!PINGのこだわりの強さを感じてしまいます。
上記モデル以降ミラー仕上げはお目にかかっていません。アイアンにとどまらずウッドやパターも”マットブラック仕上げ”で防眩対策済ですね。
サングラス着用率が高いことからもわかるように、目の色素が薄く眩しさに弱い欧米人。しかも日本以上に強い日差しのアリゾナで、”防眩対策”はクラブ設計においても必須ポイントなのかもしれません。
実際にプレーしている時のパフォーマンスを何よりも大事に設計する。PINGの信念は今も変わらず受け継がれ”進化”しています。
では、また明日。