試打・解説=石井良介
●いしい・りょうすけ/1981年生まれ、神奈川県出身。PGAティーチングプロA級の資格をもち、トラックマンを使用したレッスンや試打企画が大人気。神奈川県のハンズゴルフクラブなどで、アマチュアのレッスンも行っている。
2022年2月18日、待望の新作「i525」アイアンが発売された。"ちょいブレード"という言葉がキーポイントになるというこのクラブ。さっそくその意味を解明すべく、数多くのクラブを試打してきた石井良介プロに解説してもらった。
写真=中野義昌 協力=日本長江ゴルフクラブ
全体的にネックがスッキリしました。PWとUWはオフセットが少なく、構えたときにストレートに見えます。長くなるにつれてオフセットが多くなりますが、ロングアイアンもボールを包み込むように打てるやさしさがあります。ショートアイアンに比べてロングアイアンのトップブレードが厚く見えるのもやさしく感じる要因のひとつです。
僕は前作の「i500」アイアンを使用していましたが、それよりも構えやすくなり、打感がよくなりました。とくに操作性がすごくよく、ドローやフェード、 高低差の打ち分けが簡単になりました。i525アイアンの打感はインパクトの瞬間にフェースに球が乗っている感覚で、自分で弾道をコントロールして打つことができますね。
3〜5番はややオフセットが多く(左)、6〜9番のミドルアイアンはちょいオフセット(中央)、PWとUWはオフセットが少なめ(右)に設計されている
全体的にネックがスッキリしました。PWとUWはオフセットが少なく、構えたときにストレートに見えます。長くなるにつれてオフセットが多くなりますが、ロングアイアンもボールを包み込むように打てるやさしさがあります。ショートアイアンに比べてロングアイアンのトップブレードが厚く見えるのもやさしく感じる要因のひとつです。
中空構造のヘッドは、上が分厚くてボテっとしているイメージがありましたが、「i525」はすんなり構えられました。いつも見た目には結構こだわって選びますが、ブレードといわれても違和感がないくらいカッコいい顔をしています。ミスヒットした球も高さがしっかり出てグリーン近くまで真っすぐ飛んでくれました。
ボール初速がすごく速いのに、グリーンにしっかり止まる球が打てるので驚きました。飛距離が出るうえに操作性もいい。アイアン型UTよりも、「i525」のロングアイアンを入れたくなりました。スコアラインの入り方もとてもよくて、きれいに見えるからターゲットに向かってスクエアに構えやすい。欠点がありませんね。
打ち出しが自分の想定よりもすごく高い。高さも出せる飛び系アイアンですね。飛ぶクラブのデメリットはボールが止まらないことで、「飛ぶ」と「止まる」は相反する要素ですが、これだけ高くボールが上がればピンをデッドに狙っていけます。左の写真のような、手前に池、奥にも打てないという状況でも、難なくピンを狙うことができます。
ヘッドのトゥ側とネック部分に高比重ウエイトを搭載することで、より楽に球を拾えるようになった
ウエッジのUWがとくに気に入りました。短いクラブは左に引っかけるイメージがありましたが、スッと構えられて左にいくイメージがありません。打球もしっかり上がってくれるので、バンカー越えの状況でも不安がないですね。
右が「i525」アイアンで左が前モデル。番手ごとに最適な溝の本数にすることで安定したスピン量を実現
前作よりもフェースの溝が増えたことで、ラフや水を含んだ芝から打つ場面でも最適なスピン量で打つことができます。ソール幅が広いので抜け感もいい。「i525」は練習場よりもコースで実力を発揮するアイアンなので、コースのいろいろな状況で試してほしいですね。カッコいい見た目なのに、やさしいのでびっくりすると思います。
ラフからでもしっかり振り抜けました。ダウンブローで払い打ちを意識しなくても、高さと飛距離がすごく出てくれて、グリーンでピタッと止まる。ラフでもこんなにスピンが効くのは驚きました。
PINGのアイアンは1本単位で購入できるのが特徴です。僕はゴルフを始めた人には、いきなりフルセットで買うのではなく、まずは2〜3本ずつそろえるのをオススメしています。数本ずつそろえていくことで1本に対しての練習量も増えていいですよ。さらに、クラブフィッティングはとても大事。フィッティングも1回で決めるのではなく、フィッターに相談しながら、じっくりと納得いくまで受けて、自分に合うものを見つけてください。
ワッグルNo.379号(2022年2月21日発売号)