プロ入り9年目。悲願の初優勝
最終日、首位と1打差からスタートした前田陽子選手。通算9アンダーで優勝争いはプレーオフへ持ち越される。1ホール目をともにパーとして迎えた2ホール目に見事パーをセーブして、プロ9年目にして悲願のツアー初優勝を飾った。
「プロになった以上はツアーに出たいと思っていました。それが出来たのは良かった」と念願かなった今シーズン。昨年までステップ・アップ・ツアーを主戦場に戦い好成績を収めたことにより、今季のほとんどの試合のレギュラーツアー出場権を得たことから、本格的にツアー参戦するためにアルバイトの仕事を辞め、PINGとの用品契約を2014年の1月から結んだ。
PINGのツアー担当が当時を振り返る。「前田選手は、もともとPING契約の上野藍子選手と高校が一緒で、先輩(上野選手)と後輩(前田選手)という関係でした。13年の夏からアイアンのテストを始め、ハイブリッド、フェアウェイウッド、ドライバーとクラブを決定していきましたが、印象的なのは熱心にクラブの弾道のチェックやシャフトの比較をすることですね。2月にPINGアメリカ本社に合宿へ行った際も熱心にフィッティングをして、夜遅くまで一人練習をしていました」
そんな熱心さと持ち前の礼儀正しさはゴルフにも反映されるのか。「ショットの安定度もPING契約女子プロの中で1、2位を争う正確さ」だそう。
座右の銘とする「ガマン、辛抱強く」というゴルフに向かう精神は、観戦していた多くのゴルフファンにも共感を得たはずだ。
アマチュアゴルファーも参考にしたい、前田選手のクラブセッティング
今季は女子ツアーで大山志保選手、一ノ瀬優希選手の2勝、そして鈴木愛選手の嬉しい初優勝と、通算6勝という快挙を成し遂げているPING契約プロ達。PINGが掲げる「ベストな結果をもたらす」というクラブコンセプトが、契約プロの優勝という結果を着々ともたらしているという証とも言える。
ドライバーはi25ドライバーをセッティングに入れている。持ち球がフェードの前田選手は、飛距離こそそこそこだが、ショットの安定感とフェアウェイキープ率は抜群。
実はこの試合中、G30フェアウェイウッド#5Wの調子が悪く、初日の夜、PINGのツアーバンに飛び込んできてシャフトを調整したという。ぎりぎりまで入念にクラブにチェックを欠かさない。
前田選手のセッティングで特徴的なのは、FWやハイブリットなどのウッドを多数入れていること。結果グリーンでボールが止まりにくくなるものの、勝負がかかってミスヒットになりやすいここ一番でのショットの安定感は抜群と言ったところか。
アイアンはi25アイアンを7番アイアンからセレクト。女子プロの中でも人気の高いモデルだ。
本人が得意なクラブとして挙げているウェッジはツアーウェッジから三本選択。
パターは同じPING契約プロの大山志保プロが「運命の1本に出会った」と言う「Scottsdale TR Grayhawk」(スコッツデールTRグレイホーク)モデル。マレット・タイプのパターを好むが、見た目より軽く操作性を好むプレーヤー向けで人気のモデルとなっている。
新製品を積極的に試しつつ、気に入ったクラブを新旧取り入れる。シャフトは何度もフィッティングをして自分のスイングに適合させる。こだわりは持ちつつも新しいクラブの性能やパフォーマンスに恩恵を受けようという前向きな姿勢は、アマチュアゴルファーも是非見習いたい姿勢だ。
たくさんの応援ありがとうございました!
この翌週の大会は中学生の時に観戦してプロを目指すきっかけとなった高知開催の試合。スポンサーの冠がついた大会に凱旋する形で臨むことになった。前田選手のプロゴルフ人生はまだ始まったばかり。
これからも前田選手の応援よろしくお願いします!
PLAY YOUR BEST.