CLUB PING 独占インタビュー! 鈴木愛選手賞金女王への軌跡

 1994年5月9日徳島県生まれ。小学校ではバレーボールをしていたが、妹がレッスンを受けていたことがきっかけで11歳からゴルフをはじめる。2013年、プロテストに合格し、プロ転向。2014年、いよいよ始まる国内最高峰の女子ツアーでの戦いに選んだクラブは、PINGだった。
「初めてPINGのクラブを打ったとき、すごく打ちやすかったのを覚えています。安心感もあったので、これから戦う武器になると思い契約しました」
 契約後、ステップアップツアー「ラシンク・ニンジニア/RKBレディース」で優勝し、本格的にLPGAツアーに参戦。同年、国内メジャー大会である「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」でLPGAツアー初優勝を果たした。メジャー最年少優勝(20歳128日)を達成し、この記録は未だ破られていない。

「この年は、QT枠での出場だったので、試合出場数も限られていました。LPGAツアーで初優勝することができ、目標だったシード権も獲得できました。次の目標は、複数回優勝です」
と、視線は次のステージに。

 2015年、トップ10入り12回、2位フィニッシュが3回あったが惜しくも優勝は逃した。

プロ2年を経て自分の弱点を見直し、「とにかく練習に励み、特にパター練習を必死に行いました」とのコメント通り、パターの練習は連日日が暮れるまで続いた。その結果、2015年には1.7738で3位だった平均パット数のスタッツが、翌年には1.7445の1位に躍進し、目標としていたツアー2勝をもぎ取った。今や鈴木選手の勝ちパターンの代名詞となっている“パッティング”が2016年シーズン、見事に花開いたのであった。

同年のメジャー「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」優勝時にも「パッティングが決め手でした。最終日18番のバーディーパットは思ったとおりに打てて、気持ちよく決めることができました」と、自らのパッティングスキルに対する自信をのぞかせた。
 そして、2017年シーズンは、序盤の5月早々に「ほけんの窓口レディース 」で優勝し、好調なパターは平均パット数1.7550で1位に。賞金ランキングでも2位に浮上した。
 翌6月も「アース・モンダミンカップ 」にて優勝。7月には「全米女子オープン」「全英女子オープン」と海外メジャーにも挑戦。全英女子オープンでは、翌年の出場条件である15位タイ以上をクリアする14位タイに入賞。着実に出場権を確保した。

余談だが、鈴木選手が得意なのは、ゴルフだけではない。実は「料理」がかなり上手なのだ。
海外転戦中やシーズンオフのアメリカ・フェニックスでの合宿時では、日本食などの慣れ親しんだ食事を取れる環境に乏しい。そんな時彼女は、キッチン付きの部屋を借りて自炊するという。時にはなんと小籠包まで作ることがあるとか!「海外では食材が限られる中で、何を作ろうか?って考えるのも楽しいですよ。ゴルフの練習が終わって、今日の献立どうしよう!?と考え込んじゃうときも。この前はハンバーグを作ってスタッフさんにも振舞いました。好評だったみたいです(笑)自分で料理をすれば、体調も自己管理できるし、海外生活でも大丈夫!」

さらにオフの過ごし方についても聞いてみた。
「休みは主に買い物をしてリフレッシュ。映画を見たり、ゲームをしたりもしますが、気が付いたら何時間も経っていたことがあって…すぐにはまっちゃいます!あと、プロ野球の千葉ロッテの試合を見に行くこともしばしば。一緒にトレーニングしている仲間がいるので、応援しに行くんです!ゴルフとは違うスポーツからも刺激を受けることがありますよ」

2017年11月「TOTOジャパンクラシック」では最終日まで優勝争いをするも、惜しくも2位フィニッシュ。しかし、この時点で遂に賞金ランキング1位に躍り出た。
 賞金女王決定がかかる同月のツアー最終戦「LPGAツアー選手権リコーカップ」でのハイライトは18番ホールのラストパット。5メートルのロングパットを沈めた瞬間、会場は大きな歓声に包まれた。
この大会で3バーディ・ノーボギーの69、トータル5アンダーの7位タイに入り、見事2017年LPGAツアー賞金女王とメルセデス最優秀選手賞(MVP)の2冠を手繰り寄せた。
「ようやくプレッシャーから解放されてほっとしています。ただ、来年はまた違ったプレッシャーの中で戦うことになると思います。その重圧に負けず1戦1戦しっかり臨んでいきます」
「最終日は多くのファンの方が現地に駆けつけてくれて、横断幕まで作ってお祝いしていただきました。とても嬉しかったです。そして、お母さんをはじめ、家族全員にも感謝しています。お母さんが作ってくれるおにぎりは、試合中に食べる勝負飯です!お母さん、家族のみんな、ファンのみなさん、本当にありがとうございました!」

ツアー担当が解説する鈴木選手のドライバー

「鈴木選手は、アイアンだとブレード系、ドライバーだとシャープな形状を望んでいたのですが、フィッティングを行った結果、ボールがやさしく上がりやすい形状、セミグースのiシリーズアイアン、460ccのGシリーズドライバーが合っていました。ピンを狙いやすく、安心して振っていくための選択です。全英女子オープンに参戦した際は、日本のコースではあまり見受けられないリンクスコースでの風対策が必要ということで、G400 LSテックドライバーを投入しました。荒天の中、風にも負けずまっすぐに、そしてランが出たことが、好結果につながりましたね。その後、国内ツアーでも雨天が多くなり、G400 LSテックを継続して採用。今ではエースドライバーとして活躍しています」

プロフィール

出身地
徳島県三好郡
生年月日
1994年5月9日
趣味
ショッピング
ゴルフ歴
11歳~

今シーズンの主な記録

平均パット数
2位
バーディー数
4位
平均バーディー数
2位
パーブレーク率
2位
パー4平均スコア
3位

主な使用クラブ&スペック ※2017年11月時

ドライバー
G400 LS (10) ALTA J50 (S) 45.5 / D0
フェアウェイウッド
G #5, #7 TFC390 (SR)
ハイブリッド
G400 (22) (26) MCH70(R) -0.25 / D0
アイアン
i200 (#6-#PW) NS950(R) -0.25 / D0 / PURPLE
ウェッジ
GLIDE 2.0 (50SS)(54SS)(58SS) CFS(R) Std. / D1 / RED
パター
VAULT Anser2

今シーズンの全戦績

ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント
18T
ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ
21T
Tポイントレディス ゴルフトーナメント
8T
アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI
24T
ヤマハレディースオープン葛城
6T
スタジオアリス女子オープン
4位
フジサンケイレディスクラシック
3T
サイバーエージェント レディスゴルフトーナメント
2位
ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ
52T
ほけんの窓口レディース
優勝
中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン
18T
サントリーレディスオープンゴルフトーナメント
6T
ニチレイレディス
35T
アース・モンダミンカップ
優勝
全米女子オープン
予選落ち
センチュリー21レディスゴルフトーナメント
45T
全英リコー女子オープン
14T
NEC軽井沢72ゴルフトーナメント
予選落ち
ニトリレディスゴルフトーナメント
5位
ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント
11T
日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯
7T
マンシングウェアレディース東海クラシック
33T
ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント
12T
日本女子オープンゴルフ選手権競技
4位
富士通レディース
4位
NOBUTA GROUP マスターズGCレディース
予選落ち
樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント
10T
TOTOジャパンクラシック
2位
伊藤園レディスゴルフトーナメント
27T
大王製紙エリエールレディスオープン
2位
LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ
7T